産んでみたものの(その2)
――その後の記憶はところどころにしか覚えていない。
産後2時間経過したころにやってきた看護師さんに痛みを訴えて、
患部を触られた瞬間、激痛のあまり発狂したことは覚えている(苦笑)
慌てて医師を呼びに行った看護師。
それから医者が1人やってきて、2人に増え、3人に増殖していた。
激痛に半狂乱になっているわたしを無視して、患部を触っている医師。
痛さのあまり目からは滝のような涙、口からは声にならない悲鳴を上げているわたし。
しばらくして3人目の医者が取り乱しているわたしの耳元で話しかける。
「冴翔さん、今から手術室に運ぶから!
麻酔打ったら、もう痛くないから!もうちょっとの辛抱だよ!!」
医者はもっと何か言っていたが、覚えているのはその言葉のみ。
正直、自分の身に何が起きているのか分かってないわたしに その言葉 は
さらにパニックを引き起こすだけにしかならなかった(苦笑)
手術室って何?! 麻酔って?! わたしに何が起きてるの?!
わたしの周りにいた看護師たちが慌ただしく手術室に向かう準備を始める。
「……奥様が……これから手術を……病院に戻ってきてください……」
遠くのほうにいる看護師の一人が帰宅した旦那に電話を掛けていたらしく
ところどころにその会話が聞こえてくる。
何が起きてるのか状況を理解できてないわたしを乗せた担架が手術室へと向かう。
このとき覚えているのは、わたしが深紅の水たまりの上に座っていたことだろうか。
今思えばアレは自分の中から流れ出た血でできた水たまりだったようだ(苦笑)
気が付けば病室のベッドに横たわっていた。ベッドサイドに旦那がいる。
このときになって自分に何が起きたのか、ある程度理解することになる。
どうやら出産後、子宮内に血腫ができてしまったらしい。
ちょっと大きめの子を産んだことによって、子宮内が傷つき出血。
その血が背中のほうに溜まってしまったために、血腫ができたらしい。
血腫は放っておくとゴルフボール大にまで拡大し、手術で除去しないとならず
しかも血腫ができると相当痛いんだという。
医者から受けた説明はイマイチよく分かってないが、まあ……そういうことらしい。
麻酔が切れた真夜中(確か夜中の3時過ぎだったと思う)、アノ痛みがトラウマになったのか再びパニックに陥り、麻酔(鎮痛剤?)を打たれ眠りについた(苦笑)
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